オーダーワイシャツ メーカー井戸端会議

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2006年02月27日

シャツのディテール

シャツのディテール

ひぃが書いたシャツのディテール図です。間違いなどあれば指摘してください。 細部の詳細については、追々作成していきます。

見て頂いている方には申し訳ない限りなのですが、ひぃ も、まぁちゃん も本業で多忙のため、なかなか更新できません。スミマセン。。。

2006年02月09日

なぜ、オーダーシャツなのか? 2 〜左右対称?〜

ニュースなどで『都心の人間は雪には弱い!』と言われるように、冬や雪が好きな僕も、都心の雪には弱かった。

骨折1月21日(土)の東京は久々の雪でした。そんな世間様は休日で、外に出歩かないであろう日に僕は池袋で仕事!「ハァ〜、ツイてない。」
電車も遅れて、約束の時間までに間に合わない!その上、相手先の住所を間違えていたから完全に遅刻!「やっぱりツイてない。」
コンビニの地図で、場所を確認し直し、店から出た途端・・・転んだ。とっさにパソコンの入ったケースをかばったのが悪かった。すぐに肩が骨折したのが判った。「完全にツイてない!!」
骨がちゃんと合わなければ、腕の長さや、肩幅、肩下がり(ナデ肩・イカリ肩など)が変わり、今までの洋服は合わなくなってしまうかもしれない。そうなったら最悪だ。「ツイてない!…かもしれない。」(しつこくてゴメンナサイ)

なんでこんなことを書いたかと言うと・・・。
この出来事で、ハタと思い出した。『人間の身体は左右対称ではない!!』

「今まで骨折などしたことないから僕は(私は)左右対象だよ。」と言う人もいるでしょうが、果たしてそうでしょうか??
まず、完璧に左右対称の人など、ほとんどいません。嘘だと思ったら近くにいる人に袖の長さを測ってもらってください。

※メジャーで、背骨の首の付け根辺りに、少し隆起した骨(ゴリゴリしたところ。)がありますから、そこから肩の先端を通り、「袖の長さはこの位が好き。」という所まで左右同じように計ってみてください。

左右の袖の長さは違うと思います。

採寸既製シャツを買いに行ったけど、サイズが判らないという場合、店員さんは同じように袖の長さ(袖丈)と、首回りを測ってくれます。
その後、あなたの好みの柄や、形のシャツを探し出してくれるでしょう。
そして、あなたがそのシャツを気に入ったら、きっと購入するのでしょう。。。でも待って!!

その既製シャツのサイズは、本当に合っていますか?

厳密に言えば、あなたの身体にフィットしていることは皆無に等しいのです。
オーダーシャツを作る際に、採寸する箇所はお店によって異なりますが、 以下の箇所が挙げられます。

  • ネックサイズ(首回り)
  • 裄(袖丈)
  • 胸幅
  • 胸回り
  • 胴回り
  • 肩幅
  • 背丈(首の付け根からウエスト辺りまで)
  • 総丈
  • 胸幅
  • 背幅
  • 下前幅
  • カフス幅
  • カフス回り(半袖の場合半袖口)
  • 袖刳り(袖ぐり)
  • 袖幅
  • 肩下がり(なで肩・いかり肩なのか、角度を測ります)
  • 首の付き位置

などなど…(詳細は他の機会に書きます。)

シャツ百貨店の既製ワイシャツ売場では、一つの売場に色々なブランドのシャツが所狭しと並んでいて、ブランド毎に胴回りや、総丈まで書かれたサイズ表が張られていることがありますが、あなたは気にしていますか?
僕は某百貨店の既製ワイシャツ売場での販売員も経験しましたが、実のところ、気にして購入するお客様は極まれでしたし、気にされてもお客様好みとピッタリ合うシャツなんてないですから、そんな説明してたら一着も売れなくなってしまいます。

首回りと、袖丈くらいなら、何とか合うかもしれません。

体型でも、太めな人も、細目な人も、背の高い人も、背の低い人も、なで肩の人も、いかり肩の人も、鳩胸の人も、胸板の薄い人も。 みんな「首回り」と、「袖丈」が同じなら同じシャツでまかなっているのが、本当のところ!
しかも、合っているはずの袖丈すら、左右の長さの差は人によって異なるので、厳密にはジャストフィットとはいきません。
ですから、既製シャツでは首回りと袖丈から、考えられる体形を推測して、それより大きめなサイズで仕立てられています。
さらに、お洒落に敏感な筈の人たちが足を運ぶ「セレクトショップ」ともなれば、S / M / L 展開!!

袖丈は合っても、首回りが合わないということがあり得ます。

シワシャツは 首に指2本が入る程度のゆとりが最適 と言われますが、袖の長い痩せている人だったら2本どころか5本くらい入っちゃいますよぉ。。
ここまで行けば、本当に「大は小を兼ねる」的な無謀な発想です。
もし、袖が長めであればリフォーム(修理)して袖丈をジャストフィットさせることができたとしても、胴回りはダボダボのまま!!
なで肩や、いかり肩だったら身ごろにタスキ状のシワや、首の下側に月状のシワなど、変なシワがでてしまします。

これでは本当に「オシャレ」なんて言えません!

カフス経験上、スーツの袖丈を詰めるたり、出したり(スーツの袖は2cm程伸ばすことが可能です。)するお客様や、胴回りを詰めたり、出したりするお客様はいらっしゃいましたが、既製シャツは袖や胴回りを伸ばすことは出来ません。袖詰めもタダとはいきませんから、修理代金に3,000円くらい支払わないといけなくなります。
例えば、セレクトショップで、9,800円の白無地ブロードの既製シャツに、袖詰め3,000円の修理費だったとしたら、合計12,800円。
百貨店で同じランクの生地で、オーダーシャツを作ったとして、10,000円。
その差2,800円!(ゴムカフスが2つ買えてしまいます。)

しかし、ここには価格ではない、大きな差があります。

修理したシャツは、首回りと袖丈は合いますが、他は合いません。
一方、オーダーシャツは自分のサイズにピッタリ!!余計なシワは入りません。
さらに、"なぜオーダーシャツなのか? 1" で述べたように、袖や、衿が刷り切れても、格安で修理ができることも考えると、オーダーシャツは、何てコストパフォーマンスが高いことか!!

オーダーシャツなら、スーツを脱いでも「オシャレ」です!

これから、春を迎え、夏にもなれば、「クール・ビズ」到来!スーツを脱いでシャツでお洒落をする機会も多くなります。
今年こそは、あなたの左右の袖丈に合う、…いえいえ、肌に接する「第二の皮膚」として、ジャストフィットしたオーダーシャツを探しに、百貨店へシャツ生地を見に行ってみるのも良いではないでしょうか?
オーダーシャツは「一夜にしてならず。」完成まで2週間は要しますから…。

2006年02月06日

まぁ が思うオーダーシャツの楽しみ方2

オーダーシャツショップにトコロセマシと並ぶ生地。
何を選べばいい??基準は値段だけなの??
普段のシャツの素材なんか気にした事もない、という方へのadvice.


  今日は生地の選び方の話。

どんなシャツを作るか。最初に生地を選びましょう。

ひぃちゃんが生地の種類を色々解説してくれてますが、一般的なシャツの素材は2種類(all-season)。
まず綿100%か綿・ポリエステル混紡にするかを決めます。

どちらを選んでいいかわからない方へ。

Q1、自宅で洗濯する。
  Yes⇨ポリエステル混紡を選ぶ事をおすすめします。
天然繊維である綿に比べ、化学繊維であるポリエステル。天然繊維は縒りがあるために水に濡れるとシワになり、アイロンを掛けるのは一苦労。その点、ポリエステルが入っているものは自宅でのお手入れがしやすいと言えます。
※ちなみにあたしは綿100%派なのでクリーニング屋さんにお願いしてます。たまに節約に・・・と自宅で試みますが、結局は翌朝クリーニング屋さんに持っていく羽目に・・・。
もちろんご自宅で綿100%のシャツをお手入れされているお客様もたくさんいらっしゃいます。頭が下がります。

Q2、着ジワ(着ている間につくシワ)が気になる。
  Yes⇨ポリエステル混紡を選ぶ事をおすすめします。
上にも書いたように綿は天然繊維であるためシワになしやすいのです。でもあたしはその着ジワが好き。
着ジワが許せないと言う方にはポリエステル混がよろしいかと。着心地は綿100%の方が断然イイとも思いますが、ポリエステル混特有のシャリ感が好きだと言うお客様もいらっしゃいます。
※汗をかいて着ジワが気になるので夏モノはポリ混!というお客様もいらっしゃいます。

Q3、着るモノによっては湿疹などのアレルギーが出る。
  Yes⇨天然繊維である綿100%をおすすめします。
自分自身 アレルギー持ちのあたし、ポリ混は怖くて着れません。洗濯のりも原因の一つかもしれません。
さらに天然繊維でも繊維の長い綿素材を選ばれるお客様も少なくありません。


どちらかを決めかねたら、同じ価格帯の両方を試してみるのもイイかも。

着ジワについては、綿100%のモノでも番手が高いものはしなやかなので、きれいな(?!)着ジワが出ます。
最近あたしが好きなのは120双糸以上のブロード生地。しなやかさやシワの出方、光沢がタマリマセン。


色々な生地が並ぶオーダーショップ。色や柄も悩んでしまいます。
出来れば色モノは鏡の前で当ててみて、顔映りを確認して下さい。特に女性は。同じような色目でも、顔色が悪く見えるものもあります。
現にあたしは欲しいなと思う生地で実際に似合うものは10%にも満たないかも。いつも作る前に同僚やかぇちゃんに見てもらい、コトゴトク却下され落ち込みます。

たいていA4サイズくらいの大きさでビニールに包まれているところが多いかと思いますが、あの大きさでは割と派手に見えがちです。
意外に作ってみたら地味だったと言うのがあたしの思うところ、細かい柄はシャツになると無地に見えてしまうものもあります。シャツの大きさでイメージしてみましょう。
それに折り重なっているので色も濃く見えます。
全てを一枚に広げて!というのはちょっとご勘弁いただきたいのですが、気になるものをビニールから出してもらって、重なってない部分を触ったり見ていただく事は大切な事だと思っています。

仕立て上がりの値段の違いははっきり言って2つ。生地の値段(基本的には番手が高いモノほど高価。織りかた、素材によっても違ってきます)と仕立て方の差。
自分のニーズに合ったものを見つけてみて下さい。
※ブランド物はlicense料などが入っている分ちょっとお高くなっていますが、生地や仕立て方もブランドの意向・品質基準が反映されています。

織りかたでの風合いの違い・光沢の出方、色による雰囲気の作り方、柄による見せ方・・・色々試してみて下さい。

2006年02月03日

オーダーシャツの生地の種類(素材)

オーダーワイシャツの生地素材は、綿を筆頭に様々な素材を展開しています。
ここで、オーダーシャツで取り扱う生地素材について解説いたします。

素材名 生地 説明
綿(コットン) シャツ生地として最も一般的な天然繊維。吸湿性や保温性があり、通気性に優れ、サラッとした感触がある。また、水にを含んだ状態では繊維の強度が上がるため洗濯に強く、熱にも強いのでアイロン仕上げも高温で行うことができる。短所として、シワになりやすく、収縮しやすいなどの欠点があるため、オーダーシャツでは収縮防止のため、顧客の依頼がある際に限り「水通し」をおこなっている。
また、綿の産地や特徴により、超長・長繊維、中繊維、 短繊維と分類され、オーダーシャツでは主に超長・長繊維のものが使用される。産地は、エジプト、スーダン、ペルー、インド、アメリカ、中国、英領西インド諸島などが挙げられるが、取り分け、エジプト綿の「キザ」や、英領西インド諸島の「シーアイランド・コットン(海島綿)」が有名である。
絹(シルク) 天然素材の中では最も細く、長い繊維であり、麻に続く強度がある。蚕が繊維を作り出す過程でできるたんぱく質の層状構造や内部の複雑な微細構造(フィブリル構造)により、真珠のような光沢がある。また、弾力性があり、柔らかい。綿に比べ1.3〜1.5倍も高い吸湿性を持ち、綿同等の放湿性を誇る。欠点として、摩擦に弱く、長期保存や日光にあたると黄変・脆化する特徴がある。
※現時点では確証までに至ってはいないが、シルク製品には抗菌性を有すると言われている。(2006/02)
毛(ウール) 天然繊維の中では最も複雑な構造を持つ生地で、弾力性を持ち、柔らかでシワになりにくい。また、燃えにくいといった特徴を持つ。
シャツ生地としては、一般的にカジュアルシャツ、ワークシャツ用として展開し、毛100%の他に、綿などとのの混紡素材も取り扱う店舗・ブランドもある。
天然繊維の中では最も強度が高く、若干光沢がある。ひんやりとした肌触りがあり、シャリ感・清涼感がある。また、通気性に優れ、水分の吸収・発散が早く、洗濯すると汚れを落としやすいといった特徴から夏物として最適。短所として、シワになりやすく、手触りが硬い。
シャツ生地としては、繊維が細く短い、綿の様にしなやかな亜麻(リネン)と、繊維が太く長く、シャリ感のある苧麻(ラミー)とが使われる。価格はリネンの方が高価。
綿・麻 綿の特性と、麻の特性を合わせ持つ夏素材。
綿・麻・ポリエステル 綿と、麻のシワになりやすい性質をカバーするために、ポリエステルを混紡した夏素材の三者混。
綿・ポリエステル 綿のシワになりやすく、収縮しやすいという欠点を補うために、繊維形成の近い化学繊維ポリエステルと混紡した素材。綿100%に比べ、弾力性が高く、シワになりにくく、型くずれを起こしにくい。また、速乾性があり、水による収縮がないという特性がある反面、吸湿性が低く、熱による変形があるため、アイロン仕上げは中温を心掛けるようにする。
洗濯の際、手荒に扱い、高温でアイロン仕上げをおこなうと、生地に細かい毛玉状の凹凸ができてしまうので取扱いはデリケートに扱うこと。
綿・ポリエステル
(形態安定)
通常の綿・ポリエステルの混紡素材には熱可塑性(糸や織物に形を与え熱を加えると、その形が固定される性質)があるが、さらに、ホルマリン等の薬品で加工をおこない、型くずれを起しにくくした素材のみを形態安定と呼ぶ。欠点は上記、綿・ポリエステル混紡素材と同じ。

2006年02月02日

2/2  三十路の決意?!

誕生日を迎えて30歳になりました。
明日から一ヶ月本社を離れるので、仕事も何とか一段落させました。
ふと、今の自分の事、考えてみました。


ひぃちゃんに誘われおすすめのsiteを見にいく。

こんなにもオーダーシャツを楽しみ、愛してくれるヒトがいるのだ・・・。


去年の暮れからだったか、社内からも上司からも家庭からも『働きすぎ!』(じゃあ何とかしてよと思うが・・・)と言われるほど忙しくバタバタする日が続いてる。もうカラダはぼろぼろ・・・。
仕事はとても楽しいし、大好き。でも最近自分のcapaを超えてしまってるようで、自分の中で収拾つかなくなってきた。
いまのところお客様にはご迷惑はお掛けしてないようなので(クレームになってないだけです、ご迷惑お掛けしてます、ごめんなさい。)まだいいのかもしれないが、些細なミスが増え、社内ではうっかり者か安請け合いなヤツと思われているだろう。

抱える仕事があまりにも多方面すぎる。
賢いほうではないので、一度に何役もこなせない。切り替えると戻れないというか、瞬時に右も左も向く事はあたしには無理なの。

営業なら営業、バイヤーならバイヤー、店頭なら店頭、どれも重要な仕事、全てをマルチにこなす事は出来ない・どこか重きを置くトコロを決めて欲しいと何度も上司に訴えてきた。その度にじゃあ誰かほかに任せられるヤツがいるか?!との上司の言葉に、やっぱり自分でがんばらなければと一人で抱え込んできた。
あたしが仕事ができるからではなく、memberが足りないのだ。

今日、ひぃちゃんのオススメを見ていて、全ての今のあたしの仕事はお客様の喜びにつながるのだと改めて感じた。

やっぱりオーダーシャツを愛してくれるお客様の為にも、仕事の優先順位が欲しい。ワガママなのはわかってる。
全て中途半端に終わらせたくない、と感じた。ホントは全部出来ればよいのだが、無理。

よし、がんばろう・がんばって上司に交渉しようと思う三十路初日のまぁなのでした。

追伸:今月は出張続き。第一弾は明日からの出発。
お誕生日に休みをもらえた事と明日から日々の業務に追われない事(行った先での事に専念できるかな、と)と新しい上司がイイヒトであった事に感謝。
常務、部長、のんびり時間に慣れちゃって来月から使えないヤツになってたらごめんなさい。

2006年02月01日

刺激になりました。

オーダーシャツのBlogを検索していたら、「ブログで情報収集!Blog-Headline/fashion: オーダーシャツ」というサイトを見つけた!!

オーダーシャツのメーカーで企画をしていた僕にとっては、とても良い刺激を頂いた。多分、現在企画をしているまぁちゃんにも刺激になることであろう・・・

ここにリンクされているオーダーシャツを作られたお客さんの書き込みを読んでいると、今は一般ユーザーである僕も、「やっぱ、オーダーシャツって良いよなぁ〜」とつくづく感じる。
ましてや、現役であるまぁちゃん、かぇちゃん達は、他のメーカーのことであっても、「こんなに満足されているお客様達がいるんだぁ〜」と、思わず口元から笑みがこぼれてしまうのだろうなぁ。

まだまだこのBlogも完成まで程遠いのだが、僕らも頑張らないと!!

そして、オーダーシャツユーザーの裾野が広がって、おしゃれな人たちが増えるといいな!

オーダーシャツの生地の種類(織り方)

オーダーシャツを作るには、まず生地を選ばなければいけません。しかし、同じ色の生地でも、織り方一つで全く違う雰囲気になってしまいます。
逆にシャツ生地について知っていれば、この「選ぶ」という作業も一つの楽しみになるでしょう。

ここでは、オーダーシャツの生地の織り方について説明いたします。

織り方 生地 説明
ブロードクロス 白無地のドレスシャツとして代表的な生地で、イギリスではポプリン(POPLIN)と呼ばれている。経糸と緯糸に同じ太さの糸を使用して、経糸を緯糸の倍くらいの密度に織った平織りの生地。表面に滑らかな光沢があり、高番手になるほど光沢が増す。オーダーシャツでは80〜100番手のものが最も一般的であり、120番手以上になるとシルクに近い風合いを持ち、200番手にもなると『シルクを超えたコットン』とさえ言われる。
刷毛目 / エンド・オン・エンド 経糸、緯糸ともに色糸と白糸を交互に配列して織った平織りの生地。さらっとした着心地で滑らか。通年素材として最も定番的な生地。
オックスフォード ボタンダウンシャツとして代表的な生地で、緯糸に色糸を2本引き揃え、経糸に白糸1本を打ち込んで織った平織りの一種「斜子織り」の生地。比較的厚地で光沢があり、織目がはっきりしているのが特徴。柔らかく、通気性があり、丈夫。スポーティーな雰囲気を持つ。19世紀末スコットランドの紡績会社が、オックスフォード、ケンブリッジ、エール、ハーバードの4大学の名前でシャツ生地を売り出したが、オックスフォードのみ現在まで残った。
ピンポイントオックスフォード オックスフォードよりも、高番手の糸で織られたオックスフォード。適度な肉感と通気性の良さを兼ね備えた通年素材。オックスフォードに比べややしなやかで上品。通称「ピンオックス」と呼ばれる。
ロイヤルオックスフォード ピンポイントオックスフォードよりも、さらに高番手(一般的には100番手程度)の糸を用いて織った生地。光沢が増し、しなやかで上品。ドレッシーな雰囲気を持つ。ドビー織機を使って織るのでオックスフォードというよりドビーに近い。
シャンブレー オックスフォードと同じ織り方で、経糸にさらし糸・緯糸に染糸を使用して織った生地。薄手で艶がある。生地厚はブロードとオックスフォードの中間。
サテン 経糸と緯糸の交わる組織点をなるべく少なくした上で、その組織点を連続しないように分散させ、布面に経糸か緯糸どちらかだけが緻密に浮かせて並ばせた繻子織りのもの。独特の光沢のある滑らかな織物。比較的肉厚なものが多く、優雅な雰囲気を持つ。繻子とも呼び、絹を用いた本繻子(シルクサテン)の他に、綿繻子(綿サテン)や毛繻子などの種類がある。
ローン 細番手を使用し密度を粗くした平織りのもの。シンプルなだけに、糸の性質、打ち込みの程度により、同じローンでも相当に異なった外観を呈することがある。薄手の素材でソフトで肌触りがよい上品な雰囲気を持つ。通気性、吸水性に優れているので夏用素材として用いられる。医療用のガーゼも同じ織り方。
ボイル 細い強撚糸(ボイル糸)を使用した平織りのもの。薄手で通気性がありシャリ感があるため、夏用素材にとして用いられる。 経糸・緯糸共に双糸を使用したものを本ボイル、緯糸に単糸を使用したものを半ボイルと言う。
刺子織 平織りなどの生地に刺繍をしたかのようにやや太めの糸を浮かせて織り、ストライプやチェックといった柄・模様を表現したもの。
絡み織 綟り織、綟子織(もじりおり)とも言う。経糸を互いにもじり合わせながら、緯糸を打ち込んだ織物。布全体に小さな網目状の隙間があって通気性に富み、涼しげな外観とさわやかな肌触りがある。
蜂巣織 ハニカムクロス、ワッフルクロスとも言う。浮き糸を四角形に使って織り、生地の表面にマス型の凹凸が出る。その様子が蜂の巣のような形状のため、この名が付けられた。肌触りがよく、さらりとした触感がある。夏場は清涼感、冬場は保温性がある。シーツやタオルにも使われる。また、枡目が長方形のものをワッフルピケと呼ぶ。
バスケット 籠織り・網代織り・斜子織とも言う。経糸、緯糸ともに2本以上の糸を揃えて織ったもので平織りの変形タイプ。カゴの編み目のように見えることからこう呼ばれる。
ヘリンボーン 日本では杉綾織と言い、綾織の綾線の向きが等間隔で逆同士になっている生地。山型の連続した模様が杉の枝ぶりに見えるにで、杉綾という。英語名のヘリンボーンは、この杉綾が鯨ニシンの骨にも似ているところからきている。
ピケ 綾織と平織りを合わせて織る、畝織り素材。平織りの部分に経糸が多く現れる綾織を施し、縦に太い畝が浮き出た丈夫な綿布。ドビー織機で作られる。フォーマルで燕尾服を着る際のシャツにはこのピケを使用したイカ胸が正式である。「ピケ・pique」とはフランス語で突っつくという意味があり、ジュエリー等の装身具にも同じ名前の技法(秘法)がある。
カルゼ / フランス綾 経糸または緯糸を2本以上引き揃えて、緯糸や経糸に交錯して組み合わせて織ったもので、綾織りの変形タイプ。ドビー織機で作られる。斜めの方向に畦が現れることが特徴。光沢があり、ドレッシーな高級感を持つ。地合いが柔らかで、皺寄りが少なく着心地が良い。カルゼとは、イギリスのサフォーク州の毛織物産地「カージー」から名付けられたという説がある。
ツイル 綾織り(斜文織)とも言い、経糸・緯糸をそれぞれ2本以上の間隔で交差させる織り方。平織に比べると交差が少なく浮糸が多いのが特徴。また、表面に出る糸の面積が多いので、光沢があり斜めに畝が現れる。右上から左下へ出る畝を右綾、逆を左綾と言う。デニムと同じ織り方。
     
ドビー 織り糸で柄を出す変わり織りの一種で、紋繊機(ドビー織機)で織った生地。柄に光沢が出て素材感・高級感のある生地が出来る。織り地の組織や織り紋が多種多様で、蜂巣織り、ピケ、フランス綾、ツイルなど、特定の名前で呼ぶことが出来ないような柄織生地の総称となっている。
ジャガード ドビー同様、変わり織の一種でドビー織よりも大柄な模様を織り出せる開口装置(ジャガード織機)を使った紋模様(柄)のこと。ジャガード織機を使うと模様の複雑さ、大きさにかかわらず織柄を織ることができる。ジャガードとは、このジャガード織機を開発したフランス人のジョセフ・マリア・ジャカールの名前から付いた。