オーダーワイシャツ メーカー井戸端会議

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オーダーシャツの生地の種類(織り方)

オーダーシャツを作るには、まず生地を選ばなければいけません。しかし、同じ色の生地でも、織り方一つで全く違う雰囲気になってしまいます。
逆にシャツ生地について知っていれば、この「選ぶ」という作業も一つの楽しみになるでしょう。

ここでは、オーダーシャツの生地の織り方について説明いたします。

織り方 生地 説明
ブロードクロス 白無地のドレスシャツとして代表的な生地で、イギリスではポプリン(POPLIN)と呼ばれている。経糸と緯糸に同じ太さの糸を使用して、経糸を緯糸の倍くらいの密度に織った平織りの生地。表面に滑らかな光沢があり、高番手になるほど光沢が増す。オーダーシャツでは80〜100番手のものが最も一般的であり、120番手以上になるとシルクに近い風合いを持ち、200番手にもなると『シルクを超えたコットン』とさえ言われる。
刷毛目 / エンド・オン・エンド 経糸、緯糸ともに色糸と白糸を交互に配列して織った平織りの生地。さらっとした着心地で滑らか。通年素材として最も定番的な生地。
オックスフォード ボタンダウンシャツとして代表的な生地で、緯糸に色糸を2本引き揃え、経糸に白糸1本を打ち込んで織った平織りの一種「斜子織り」の生地。比較的厚地で光沢があり、織目がはっきりしているのが特徴。柔らかく、通気性があり、丈夫。スポーティーな雰囲気を持つ。19世紀末スコットランドの紡績会社が、オックスフォード、ケンブリッジ、エール、ハーバードの4大学の名前でシャツ生地を売り出したが、オックスフォードのみ現在まで残った。
ピンポイントオックスフォード オックスフォードよりも、高番手の糸で織られたオックスフォード。適度な肉感と通気性の良さを兼ね備えた通年素材。オックスフォードに比べややしなやかで上品。通称「ピンオックス」と呼ばれる。
ロイヤルオックスフォード ピンポイントオックスフォードよりも、さらに高番手(一般的には100番手程度)の糸を用いて織った生地。光沢が増し、しなやかで上品。ドレッシーな雰囲気を持つ。ドビー織機を使って織るのでオックスフォードというよりドビーに近い。
シャンブレー オックスフォードと同じ織り方で、経糸にさらし糸・緯糸に染糸を使用して織った生地。薄手で艶がある。生地厚はブロードとオックスフォードの中間。
サテン 経糸と緯糸の交わる組織点をなるべく少なくした上で、その組織点を連続しないように分散させ、布面に経糸か緯糸どちらかだけが緻密に浮かせて並ばせた繻子織りのもの。独特の光沢のある滑らかな織物。比較的肉厚なものが多く、優雅な雰囲気を持つ。繻子とも呼び、絹を用いた本繻子(シルクサテン)の他に、綿繻子(綿サテン)や毛繻子などの種類がある。
ローン 細番手を使用し密度を粗くした平織りのもの。シンプルなだけに、糸の性質、打ち込みの程度により、同じローンでも相当に異なった外観を呈することがある。薄手の素材でソフトで肌触りがよい上品な雰囲気を持つ。通気性、吸水性に優れているので夏用素材として用いられる。医療用のガーゼも同じ織り方。
ボイル 細い強撚糸(ボイル糸)を使用した平織りのもの。薄手で通気性がありシャリ感があるため、夏用素材にとして用いられる。 経糸・緯糸共に双糸を使用したものを本ボイル、緯糸に単糸を使用したものを半ボイルと言う。
刺子織 平織りなどの生地に刺繍をしたかのようにやや太めの糸を浮かせて織り、ストライプやチェックといった柄・模様を表現したもの。
絡み織 綟り織、綟子織(もじりおり)とも言う。経糸を互いにもじり合わせながら、緯糸を打ち込んだ織物。布全体に小さな網目状の隙間があって通気性に富み、涼しげな外観とさわやかな肌触りがある。
蜂巣織 ハニカムクロス、ワッフルクロスとも言う。浮き糸を四角形に使って織り、生地の表面にマス型の凹凸が出る。その様子が蜂の巣のような形状のため、この名が付けられた。肌触りがよく、さらりとした触感がある。夏場は清涼感、冬場は保温性がある。シーツやタオルにも使われる。また、枡目が長方形のものをワッフルピケと呼ぶ。
バスケット 籠織り・網代織り・斜子織とも言う。経糸、緯糸ともに2本以上の糸を揃えて織ったもので平織りの変形タイプ。カゴの編み目のように見えることからこう呼ばれる。
ヘリンボーン 日本では杉綾織と言い、綾織の綾線の向きが等間隔で逆同士になっている生地。山型の連続した模様が杉の枝ぶりに見えるにで、杉綾という。英語名のヘリンボーンは、この杉綾が鯨ニシンの骨にも似ているところからきている。
ピケ 綾織と平織りを合わせて織る、畝織り素材。平織りの部分に経糸が多く現れる綾織を施し、縦に太い畝が浮き出た丈夫な綿布。ドビー織機で作られる。フォーマルで燕尾服を着る際のシャツにはこのピケを使用したイカ胸が正式である。「ピケ・pique」とはフランス語で突っつくという意味があり、ジュエリー等の装身具にも同じ名前の技法(秘法)がある。
カルゼ / フランス綾 経糸または緯糸を2本以上引き揃えて、緯糸や経糸に交錯して組み合わせて織ったもので、綾織りの変形タイプ。ドビー織機で作られる。斜めの方向に畦が現れることが特徴。光沢があり、ドレッシーな高級感を持つ。地合いが柔らかで、皺寄りが少なく着心地が良い。カルゼとは、イギリスのサフォーク州の毛織物産地「カージー」から名付けられたという説がある。
ツイル 綾織り(斜文織)とも言い、経糸・緯糸をそれぞれ2本以上の間隔で交差させる織り方。平織に比べると交差が少なく浮糸が多いのが特徴。また、表面に出る糸の面積が多いので、光沢があり斜めに畝が現れる。右上から左下へ出る畝を右綾、逆を左綾と言う。デニムと同じ織り方。
     
ドビー 織り糸で柄を出す変わり織りの一種で、紋繊機(ドビー織機)で織った生地。柄に光沢が出て素材感・高級感のある生地が出来る。織り地の組織や織り紋が多種多様で、蜂巣織り、ピケ、フランス綾、ツイルなど、特定の名前で呼ぶことが出来ないような柄織生地の総称となっている。
ジャガード ドビー同様、変わり織の一種でドビー織よりも大柄な模様を織り出せる開口装置(ジャガード織機)を使った紋模様(柄)のこと。ジャガード織機を使うと模様の複雑さ、大きさにかかわらず織柄を織ることができる。ジャガードとは、このジャガード織機を開発したフランス人のジョセフ・マリア・ジャカールの名前から付いた。

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